水素純度測定用質量分析計
HydrogenSense


水素生産拠点、貯蔵タンク、水素ステーションで「水素純度」のリアルタイム分析

PEM燃料電池に不純物を含む水素を使用すると短時間でダメージを与えることがあります。このような水素燃料の品質問題を解決するために、国際規格ISO 14687:2019 および SAE J2719 では、適切な水素純度のガイドラインとして、H2O, O2, He, N2, Ar, CO, TS, THC, HCHO, HCOOH, NH3, HBr, HCl, Cl2などの不純物の最大許容レベルが定められています。

1台のユニットにイオン分子反応(IMR)と電子衝撃イオン化(EI)の2種類の質量分析技術が収められた水素純度測定用質量分析計 HydrogenSense は、複数のガス成分のリアルタイム同時測定を実現し、PEM燃料電池用の水素に含まれる不純物を分析します。 IMRとEIを組み合わせた質量分析計は、他に類を見ない高速応答、広いダイナミックレンジ、選択的な測定、低濃度の検出限界を可能にします。実績のある最先端の技術力と設計ノウハウにより、 柔軟性と使いやすい操作性を実現しています。水素生産拠点、貯蔵タンク、そして水素ステーションなどのあらゆるサンプリングポイントで利用できます。

HydrogenSenseの原理(IMR-MS + EI-MS)

HydrogenSenseは、IMR-MSとEI-MS技術を組み合わせた質量分析計です。イオン分子反応(IMR)により、ガス測定は高速かつ選択的で、他のイオン化法とは異なり、フラグメンテーションやスペクトルの重なりがほとんど見られないため、検出される結果の解釈を容易にします。IMRは、低エネルギーレベル(10 eV~14 eV) のプライマリイオンを用いて、サンプルガス成分を完全にイオン化します。 S/N比は、一体化した八重極セパレータによって、プライマリイオンをフォーカスし、あらゆる干渉を除去することで最適化されます。その後、四重極マスフィルタ(7~519 amu)で分子を分離し、高速パルスカウンターで検出を行います。

EI-MSのイオン化は70eVで行われ、質量範囲は1〜100 amu、分解能は1amuです。 温度と圧力が補正された注入口は、サンプルガスの条件を一定に保ち、正確な測定を保証します。

HydrogenSenseの機能と利点

  • SAEJ2719およびISO14687:2019に準拠した水素の品質分析を1台の質量分析計で実現
  • H2O, O2, He, N2, Ar, CO, CO2, TS, THC, HCHO, HCOOH, NH3, ハロゲン化合物の分析結果を即時に取得
  • CoAおよびCoCの自動作成を含む全分析の一元化
  • 生産プラントや燃料の補給場所など、あらゆるサンプリングポイントで簡単に組み込み可能
  • 統合された温度制御ガスインレットスイッチングと自動ガス流量調整を備えたValveBoxが利用可能

仕様

モデル名 HydrogenSense
技術 IMR-MS EI-MS
質量範囲 7 – 519 amu 1 – 100 amu
分解能 < 1 amu
分析時間 >= 1 msec/amu >= 5 msec/amu
測定範囲1 105 0 –100 Vol%
応答時間1 T90 < 20 msec
低濃度検出限界1 < 1 ppb > 0.01Vol%
ガス消費2 30 - 3000 ml/min
ガスインレット温度 50°C - 190°C (調節可)
ガスインレット圧力2 0.75 – 2 bar(a)
湿度 最大 80% (結露なきこと)
再現性 < ± 3%
精度 < ± 2%
ドリフト濃度 < ± 5% 24 h以上
温度範囲 20°C - 35°C
電源 230V/50Hz または 115V/60Hz 1000 W
寸法 (WxHxD) 600 x 1692 x 700 mm
重量 215kg

1 測定する成分やシステム設定によって異なります。
2 ガスインレットシステムの種類によって異なります。

*外観・仕様は予告なく変更することがありますので、予めご了承ください。

ページのトップへ戻る