シロキサン専用 ガスクロマトグラフイオン移動度分光計
GC-IMS-SILOX
GC-IMS-SILOX は、埋立地/下水/およびバイオガス中の環状 D3、D4、D5、D6 シロキサンと同様に、個々の直鎖状L2、L3、L4、および
L5 の濃度を正確に定量するためのスタンドアローンデバイスです。
ISO 2613-2:2023(Analysis of natural gas - Silicon content of biomethane)に採用されています。
バイオガス中シロキサンのモニタリング
燃焼機関に供給する代替燃料として活用されているバイオガスは、農業廃棄物、植物材料、下水、汚泥や食品残渣などから製造され、メタン(CH4)と二酸化炭素(CO2)が主な成分です。しかし、洗浄剤やスキンケア製品等からの廃棄物中にシリコン含有材料が存在する場合、シロキサン(直鎖および環状分構造)が生成されます。埋立地や下水からのガスにみられる典型的なシロキサンは下記の通りです。
L2 | ヘキサメチルジシロキサン(Hexamethyldisiloxane) |
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L3 | オクタメチルトリシロキサン(Octamethyltrisiloxane) |
L4 | デカメチルテトラシロキサン(Decamethyltetrasiloxane) |
L5 | ドデカメチルペンタシロキサン(Dodecamethylpentasiloxane) |
D3 | ヘキサメチルシクロトリシロキサン(Hexamethylcyclotrisiloxane) |
D4 | オクタメチルシクロテトラシロキサン(Octamethylcyclotetrasiloxane) |
D5 | デカメチルシクロペンタシロキサン(Decamethylcyclopentasiloxane) |
D6 | ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(Dodecamethylcyclohexasiloxane) |
バイオガスが発電設備の燃料として天然ガスパイプラインを流れる際、ガス中のシロキサン量が臨界レベルを超えると、燃焼プロセス中に二酸化ケイ素がエンジン内面に付着し、特にバルブやピストンのような可動部品の損傷を引き起こします。従って、バイオガス中のシロキサン濃度を制御することが非常に重要です。しかし、ガスサンプルをバッグに採取してTD-GC-MSで測定するような従来の手法では、シロキサン濃度に対するガスの組成に関する重要な情報の取得に遅れが生じます。
GC-IMS であれば、バイオガスの生成設備でガスパイプを直接バイパスしたラインから、低濃度のシロキサンおよび全ケイ素を0.03 mg/m3(5ppb)の高感度で連続モニタリングが可能です。分析時間は短く(L5までで35分、D6を含む場合で60分)、サンプルラインは常に窒素でパージされることで、感度が保証されます。
各シロキサンのIMSスペクトル(左)、2種のシロキサンの検量線(右)
埋立地にオンサイトで設置されているGC-IMS-SILOX(左)、GC-IMS-SILOX結果画面(右): 各シロキサン、全シロキサン量などが直接定量されます。
アプリケーションノート:バイオガス中のシロキサン類とテルペン類のオンサイト分析
シロキサン分析における GC-IMS-SILOX の利点
- 「ワンクリック」メニューによる現場測定
- 設定間隔でのオンライン/継続監視
- 「全シリカ」(SiO2) および「全シリコン」(Si) の結果による非常に低い検出限界 (μg/m3)
- 高い再現性と精度
- ランニングコストとメンテナンスコストが非常に低い
GC-IMS-SILOX は、電力のほかに、動作用のドリフトガスおよびキャリアガスとして N2 または合成空気のみを必要とします。 専門家でなくてもオンサイトテストを安全に実施できるメニューです。24時間年中無休のオンライン監視ツールとして使用して、個々のシロキサンを関連する濃度レベルでテストし、現場で即時に決定することもできます。