ガスクロマトグラフイオン移動度分光計
FlavourSpec®
FlavourSpec は、食品・飲料等のヘッドスペース中の香気成分や異臭成分を迅速かつ高感度に測定可能な GC-IMS システムです。
食品・飲料のにおい成分・VOCを迅速・高感度分析
GAS社のガスクロマトグラフイオン移動度分光計 FlavourSpec® は、食品・飲料等のヘッドスペース中の香気成分や異臭成分を迅速かつ高感度に測定可能な GC-IMS システムです。得られたデータは 3D スペクトルで表現され、さらにフィンガープリントとして多変量解析を行うことで、サンプルの特徴の相違性、類似性を容易に比較、解釈できます。 サンプリングに特別な前処理を必要とせず、 ヘッドスペースオートサンプラーにより一連の操作が自動化されています。
GC-IMS の原理
高速 GC と高感度 IMS の技術を掛け合わせたGC-IMSは、ドリフト電圧の極性の切り替えにより、ケトン、アルデヒド、アルコール、エーテル、エステル、アミン、芳香族化合物、有機リン化合物、 有機硫黄化合物、有機窒素化合物、ハロゲン化合物など広範囲にわたる化合物の検出が可能です。IMS への試料導入前に GC による分離を行うことで、複合成分のイオン間の相互作用が低減し、 さらに GC 保持指標とイオン移動度の各々データベースを利用した化合物の絞り込み(クロスサーチ)が可能となりました。
FlavourSpec® アプリケーション
特定成分の検出と定量
ビール中のオフフレーバー成分として Diacetyl と Pentandione の検出
フィンガープリントの解析
ブランドの異なる醤油のトポグラフィックプロットの比較
- 品質管理・品質保証
- 原料・最終製品の一貫性の管理
- 腐敗や発酵(微生物)の管理とモニタリング
- プロセス制御と最適化
- 製造ライン洗浄効果の確認
- クレーム品(異臭)の評価
- 研究開発・販売促進
- 競合品とのベンチマーク
- 保存試験
- 包材からの移り香と、包材への香気成分の吸着
腐敗や発酵(微生物)の管理とモニタリング
ガスクロマトグラフとイオン移動度分光計の組み合わせ(GC-IMS)は、揮発性有機化合物(VOC)の強力な分離・検出技術です。GC-IMSは、ppbvの低濃度に対する検出限界、高い2次元選択性、堅牢な操作性を特徴としています。
これらの特徴により、ノンターゲットスクリーニングアプローチに理想的なツールです。
発酵ブロセスには、培地から、あるいは微生物の代謝によって生成されたかなりの数のVOCが含まれており、GC-IMSでは発酵プロセスにおけるそれぞれの変化を定量的に表すことができます。
Escherichia coli、Saccharomyces cerevisiae、Levilactobacillus brevis、およびPseudomonas
fluorescensをモデル生物として例示的に用いて培養し、ヘッドスペースをGC-IMSで分析したところ、多変量データ解析により微生物の区別が可能で、PLS-DAの予測精度は0.92でした。
(「Nontargeted Volatile Metabolite Screening and Microbial Contamination
Detection in Fermentation Processes by Headspace GC-IMS」から引用)
豆類の風味調査:官能評価と機器分析との相関
エンドウ豆やソラマメなどのマメ科植物由来のタンパク質に対する需要は、動物性タンパク質の代替品として増加しています。しかし、食品にマメ科植物を使用する際には、風味の悪さが問題となります。こうした風味の悪さは官能評価によって特定できますが、このプロセスは手間がかかります。機器分析では、アルデヒド、アルコール、ケトン、酸、ピラジン、硫黄化合物など、「豆っぽい」香りや「青っぽい」香りの原因となる揮発性化合物を検出することができます。同様に、「苦味」や「渋味」に関連するサポニン、フェノール、アルカロイドなどの非揮発性化合物も検出可能です。こうした官能的なオフフレーバー属性を特定する機器分析法があれば、非常に有益です。 HS-GC-IMSは、特に香りや揮発性化合物の分野において、官能データとの相関性において最高水準の性能を発揮しているようです。
現在、HS-GC-IMSはSymrise社により、ProtiScanシステムを通じてタンパク質の揮発性プロファイリングに成功しています。
(「Flavour investigation of pulses: linking sensory with instrumental analyses」から引用)