廃棄物発電(WtE)プラントからの異臭

背景

年: 2020年
場所: サン・トゥアン・シュル・セーヌ(フランス)
アプリケーション: 固形廃棄物

パリ北部にあるSyctom社の廃棄物発電(WtE)プラントは、グリーンスター廃棄物回収施設として知られ、当初は工業地帯に建設されましたが、現在は開発住宅地に囲まれています。そのため、臭気をはじめとする様々な問題が生じています。 1919年以来工業活動が行われてきた地域、サン・トゥアン・シュル・セーヌに建設されたWtEプラントは、1990年に稼働を開始し、年間60万トンの家庭廃棄物を焼却する能力を有しています。

課題

これまで、地域住民による異臭発生の報告は、工場が臭気の潜在的な発生源を特定するのに役立ってきました。ただし、このプロセスにはいくつかの限界があります。たとえば、主に夜間に異臭が発生した場合、一部の事例は報告されない可能性があります。また、一部の異臭は外部の発生源によって放出された可能性があります。 さらに、異臭は主観的な感覚です。におい・臭気の感じ方は人によって異なるからです。 とはいえ、臭気管理の主な目的は、臭気が地域住民に与える影響を軽減または排除することであるため、住民からのフィードバックは不可欠なものです。

解決方法

以下の機能を備えた大気監視センサーシステム WT1 をモニターとして20 台導入:

  • 揮発性有機化合物 (VOC) の測定
  • 硫化水素などの硫黄化合物、およびアンモニアなどのその他の臭気化合物の測定
  • 特定の汚染ガスや粒子状物質の検出

グリーンスターにモニターを設置する前に、WT1のメーカーEllona社は現場から代表的なサンプルをサンプリングバッグに捕集し、存在する可能性のある臭気化合物の包括的なラボ分析と動的嗅覚測定分析を実施しました。 臭気閾値は、EN 13725: 2022 / ASTM E679に概説されている希釈法を使用して設定されました。 これにより、Ellona社は現場の臭気に関する定性的なフィンガープリントを作成し、現場に存在する特定の臭気化合物を検出できるモニターとしてWT1を発生源や敷地境界等に設置することができました。


主な実績


グリーンスターサイトでの計画は、臭気軽減策を実施し、最も効果的な対策を特定することで、異臭問題をさらに軽減することです。家庭ごみの成分は時間が経つにつれて変化する可能性がありますが、24時間監視が可能なスマート臭気モニタリングシステムを導入したことで、Syctom社は異臭発生の変化に応じて対応することが可能となりました。

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