バルト海に面したリガ港があるラトビアのベンツピルス市では、地理的優位性を活かし、複数のターミナルで、石油製品、化学薬品、重油、原油、ベンゼン等の荷降ろしや短期保管および荷積みが行われています。
そのため、港湾で発生する様々な臭気が、海からの風により近隣住宅地に広がってしまうという問題を抱えていました。
そこで、2017年終わりから2018年半ばにかけて、臭気発生源を24h監視するため、3つのターミナルに大気監視センサーシステム WT 1 と風向風速システムを各3台設置しました。臭気校正はEN13725(Air quality – Determination of odour concentration by dynamic olfactometry)に準拠した臭気テストにより実施しています。
この港湾用臭気監視システムの実装により、臭気発生源において、臭気濃度が設定した制限値を超えているかそれに近い場合、ターミナルで製品の積み込み速度を低下させることができるようになりました。また、気象データ情報を考慮して作業を計画することもでき、風が住宅地に向いて風速が低い場合は、積み降ろし操作を停止することで、臭気拡散の防止措置を講じることができるようになりました。
EN13725に準拠したオンライン臭気強度モニタリングの実装により、オンライン臭気(さまざまな石油化学製品および輸出国)の発生源の特定も可能となりました。
現在もベンツピルス市では、本システムによる大気環境改善が日々行われています。