エネルギー産業

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バイオガスのモニタリング

再生可能エネルギーとして生産・利用が拡大しているバイオガスは、有機性廃棄物(生ゴミ等)や家畜の糞尿、下水、汚泥などを発酵させて得られる可燃性のガスで、その品質や収率の高さによって燃料としての価値が決まります。ガス化プロセスを監視し深く理解するためには、リアルタイムで情報が得られる堅牢な分析機器が必要となります。ここでは、バイオガスのリアルタイムモニタリングに適した4種の質量分析計とそのアプリケーションを紹介します。


バイオガスのリアルタイムモニタリングに適した質量分析計

ガス化プロセスのモニタリング、とりわけ汚染物質のモニタリングに適用される現在の分析技術は、サンプリング、予備濃縮工程、実験室での作業、それに続くガスクロマトグラフィーなどのオフライン分析など、多くの時間を要します。 一方、IMR-MS は、異なるイオン化ポテンシャルの一次イオンのイオン分子反応を利用した技術で、有機・無機化合物を同時にリアルタイムで定量することができます。


装置名 水素・ヘリウム用質量分析計 HSense 電子衝突質量分析計 EISense ソフトイオン化質量分析計 AirSense ソフトイオン化+EIデュアル質量分析計 CombiSense
         
 MS-Type SF-MS EI-MS IMR-MS IMR-MS + EI-MS
濃度範囲 < ppm - 100 Vol% ppm - 100 Vol% < ppb - 1000 ppm < ppb - 100 Vol%
化合物 H2, He CH4, H2, O2, N2, CO2, H2O, Ar, ベンゼンなど (有機)アルカン、アルケン, アルキン, 芳香族, アルコール, アルデヒド, ケトン、カルボン酸(SFCA), アミン, メルカプタン + 有機スルフィド, ハロゲン化HC, シロキサンなど
(無機)H2S, NH3, O2(Vol%), CO2, H2O(Vol%), NO, NO2など
(有機)アルカン, アルケン, アルキン, 芳香族, アルコール, アルデヒド, ケトン、カルボン酸(SFCA), アミン, メルカプタン + 有機スルフィド, ハロゲン化HC, シロキサンなど
(無機)H2S, NH3, O2, CO2, H2O, NO, NO2, + H2, N2, Ar

リアルタイム複合ガス質量分析計を用いたバイオガスのアプリケーション

  • CH4、H2、O2、H2S、NH3、カ​​ルボン酸(SCFA)、芳香族化合物、PAH、メルカプタン、有機硫化物、アミン、アルコール、アルデヒドなどのバイオガスのモニタリング
  • バイオガスプラントおよびバイオガスプロセスにおける嫌気性消化プロセスの変化、品質、動態、感度、安定性のモニタリング
  • 実験室発酵モニタリング
  • H2Sおよび硫黄除去(脱硫プロセス)の有効性のモニタリング
  • 工業用DeNOxのモニタリング
  • CH4、CO2収支(嫌気性消化の有効性)のモニタリング、リーク検知
  • バイオマスの蒸気ガス化中タールのオンライン定量化
  • バイオガス収量、品質向上、生産、接種、阻害モニタリング - メタン、水素など
  • 生体触媒効率のモニタリング
  • CHP(熱電併給)エンジン保護
  • スタートアップ - 、消化装置 - 負荷の故障監視、バイオガスプラントの最適化
  • 悪臭の減少、爆発物、有毒ガスのモニタリング
  • バイオ酸化効率のモニタリング
  • 埋立地ガスのガス抽出モニタリング - シロキサンなど

バイオガス中のシロキサンのモニタリング

シロキサンの濃度測定に、TD-GC-MSのような既存の手法を用いると、非常に時間がかかり、効率的ではありません。ガスクロマトグラフイオン移動度分光計 GC-IMS であれば、バイオガスの生成設備でガスパイプを直接バイパスしたラインから、低濃度のシロキサンおよび全ケイ素を0.03 mg/m3(5ppb)の高感度で連続モニタリングが可能です。分析時間は短く(L5までで35分、D6を含む場合で60分)、サンプルラインは常に窒素でパージされることで、感度が保証されます。


FCV用水素の純度分析(ISO14687-2)

固体高分子形燃料電池を搭載したゼロエミッション車である燃料電池自動車(FCV)は水素を燃料として使用します。このような燃料電池には、現代の水素精製技術、例えばPSA(圧力スイング吸着)法やパラジウム合金薄膜を通過する選択的拡散を用いて達成することができる高い水素品質が求められます。不純物を含む水素を使用すると、短時間で燃料電池が損傷する可能性があります。そのため、適切な水素純度のガイドラインが国際規格 ISO 14687-2 に規定されており、H2O, O2, He, N2, Ar, CO, CO2, TS, THC, HCHO, HCOOH, NH3, HBr, HCl, Cl2などの不純物成分の最大許容濃度が概説されています。ここでは、ISO 14687-2に準拠した水素の純度分析が可能な装置を紹介します。


1台の装置で水素中不純物の分析

イオン分子反応(IMR)と電子衝撃イオン化(EI)の2種類の質量分析技術を組み合わせたソフトイオン化+EIデュアル質量分析計 CombiSense は、GCベースの分析装置などに比べて非常に高速で結果を出力します。 単一の設定を使用して数分以内に不純物を測定します。既存の技術では、ISO規格で言及されているGS-MS、FTIR、FID、ICなど複数の装置が必要になりますが、CombiSenseであれば、1台のアナライザーだけで分析が完結します。あらゆるサンプリングポイント:(1)製造から貯蔵まで(2)荷積み時(3)荷降ろし時(4)給油時(5)手動サンプリング・・・で測定が可能です。




CombiSenseが水素純度分析に適している理由

  • サブppbから100 Vol%までの有機および無機化合物のリアルタイムモニタリング:
    • 脂肪族化合物, 芳香族化合物, アルコール, アルデヒド, ケトン, アミン, 硫黄有機化合物, カルボン酸, ハロゲン化HC, 無機化合物に対する高い選択性
    • 例: メタン, エチレン, アセチレン, プロピレン, ドデカン, ベンゼン, トルエン, メタノール, エタノール, イソプロパノール, ホルムアルデヒド, アセトアルデヒド, アセトン, アセトニトリル, トリメチルアミン, 酢酸, ジクロロメタン, クロロベンゼン, メチルメルカプタン, ジメチルジスルフィド, NO, NO2, NH3, H2S, SO2, COS, Cl2, N2, O2, H2Oなど
  • 予備濃縮不要
  • 過酸化水素、バルクガスなどの交差感度無し:単独の二体反応衝突による分子のイオン化
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