自動車産業

燃焼エンジンから排出される生ガスや希釈された排気ガスの測定は、触媒コンバーター、オイル消費、低排出ガス車、ゼロエミッション車の開発およびモニタリングにおいて重要な段階です。自動車産業では、規制対象の排気ガス(炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物)だけでなく、ホルムアルデヒド、ベンゼン、トルエンなどの規制対象外の排気ガスを最小限に抑えることが重要な目標となっています。 欧州はじめ世界の自動車メーカー等で排ガス分析に利用されているソフトイオン化質量分析計は、イオン分子反応を原理とし、成分分離せずに複合ガス中の各成分濃度をリアルタイムで測定できるシステムです。 次世代自動車等の環境性能に優れた自動車の開発が加速されていくなか、ソフトイオン化質量分析計も、燃料電池、車室内空気環境(VIAQ)やオイル消費量の分析といった様々な用途に活用が進んでいます。

車室内VOC, 排ガス, オイル消費, 燃料電池関連ガスのリアルタイム分析

FCV用水素の純度分析(ISO14687-2)

固体高分子形燃料電池を搭載したゼロエミッション車である燃料電池自動車(FCV)は水素を燃料として使用します。このような燃料電池には、現代の水素精製技術、例えばPSA(圧力スイング吸着)法やパラジウム合金薄膜を通過する選択的拡散を用いて達成することができる高い水素品質が求められます。不純物を含む水素を使用すると、短時間で燃料電池が損傷する可能性があります。そのため、適切な水素純度のガイドラインが国際規格 ISO 14687-2 に規定されており、H2O, O2, He, N2, Ar, CO, CO2, TS, THC, HCHO, HCOOH, NH3, HBr, HCl, Cl2などの不純物成分の最大許容濃度が概説されています。ここでは、ISO 14687-2に準拠した水素の純度分析が可能な装置を紹介します。


1台の装置で水素中不純物の分析

イオン分子反応(IMR)と電子衝撃イオン化(EI)の2種類の質量分析技術を組み合わせた水素純度測定用質量分析計 HydrogenSense は、GCベースの分析装置などに比べて非常に高速で結果を出力します。 単一の設定を使用して数分以内に不純物を測定します。既存の技術では、ISO規格で言及されているGS-MS、FTIR、FID、ICなど複数の装置が必要になりますが、HydrogenSenseであれば、1台のアナライザーだけで分析が完結します。あらゆるサンプリングポイント:(1)製造から貯蔵まで(2)荷積み時(3)荷降ろし時(4)水素ステーション(5)手動サンプリング・・・で測定が可能です。




HydrogenSenseが水素純度分析に適している理由

  • サブppbから100 Vol%までの有機および無機化合物のリアルタイムモニタリング:
    • 脂肪族化合物, 芳香族化合物, アルコール, アルデヒド, ケトン, アミン, 硫黄有機化合物, カルボン酸, ハロゲン化HC, 無機化合物に対する高い選択性
    • 例: メタン, エチレン, アセチレン, プロピレン, ドデカン, ベンゼン, トルエン, メタノール, エタノール, イソプロパノール, ホルムアルデヒド, アセトアルデヒド, アセトン, アセトニトリル, トリメチルアミン, 酢酸, ジクロロメタン, クロロベンゼン, メチルメルカプタン, ジメチルジスルフィド, NO, NO2, NH3, H2S, SO2, COS, Cl2, N2, O2, H2Oなど
  • 予備濃縮不要
  • 過酸化水素、バルクガスなどの交差感度無し:単独の二体反応衝突による分子のイオン化

TD-GC-IMSを用いた車室内VOCの自動サンプリングと高感度測定

高速GCと高感度 IMS(イオン移動度)の技術を掛け合わせGC-IMSは、特定成分をオンサイトで迅速に測定可能なシステムです。 小型のTD(加熱脱着装置)を用いた自動サンプリングにより、新車臭に影響する車室内のVOCを5ppbレベルから高感度かつ迅速に定量可能です。 測定サイクルは、わずか15分以内です。

GC-IMS >アプリケーション>車室内VOCの定量

VOC排出試験用エミッションチャンバー

室内VOC排出試験 ISO 16000-9 準拠した、エミッションテストチャンバーは、厳しい試験条件下でVOCの特性評価を行うのに最適です。 堅牢でエミッションフリーなテストチャンバーです。

エミッションテストチャンバー EK250

ISO準拠 官能パネル選定/訓練用 においスティック

嗅覚試験のための「パネル選定用スニッフィングスティック」は、5種類の基準臭と1つのリファレンス (無臭)をそれぞれ直接嗅ぎやすいスティック形状にしたものです。 準備、持ち運びが簡単で、約6ヶ月間の使用ができます。 嗅覚試験による車室内空気及びチャンバー内空気(自動車部品測定)の臭気判定 ISO12219-7:2017, annex G に準拠しています。ラインアップには、臭気強度の訓練用、および100種類以上の異なるにおいの質を用意しており、対象物に応じて選択が可能です。

パネル選定/訓練用スニッフィングスティック


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